キャンプでアウトドアナイフが活躍する場面は、思いのほか多くあります。
例を上げると、
- 料理
- バドニング(薪割り)
- フェザースティック(着火剤)作り
- その他(身を護る)
等があります。
もちろん、それぞれの目的に合った刃物を用意できれば、それが一番です。
しかし、何本も刃物を揃えるのはお金がかかりますし、何より荷物になります。
そこで、ソロキャンプ初心者の皆さんに、モーラナイフをお勧めします。
モーラナイフとは、スウェーデン発祥の安価で丈夫な万能アウトドアナイフです。
こだわりがなければ、これ1本でキャンプでの用途は十分です。
私は、未だにキャンプはモーラナイフ1本しか持って行きませんし、不自由をを感じたことがありません。
目次
モーラナイフの特徴
モーラナイフは、スカンディナヴィア地域で日常的に使用されている、130年の歴史を誇る伝統的な実用ナイフです。
現在では、モーラナイフといえば、一般に『モーラ・オブ・スウェーデン社』が製造するナイフを指します。
モーラナイフの特徴は、その単純で丈夫な構造から
・安価で丈夫
・手入れがしやすい
・用途が広い
ことです。
モーラナイフの種類
そんなモーラナイフですが、現在では用途によって様々な種類が展開されています。
モーラナイフは、材質が大きく『ステンレス製』と『カーボン製』に分かれます。
初心者の方は、手入れが楽で錆びにくい『ステンレス製』を選んでください。
ステンレス製とカーボン製の違いは何なの?
ステンレスは、切れ味がカーボンに劣るけど錆びにくくて手入れが楽だよ。
反対にカーボンは、切れ味が鋭いけど、サビが出やすいんだ。
僕は、薪を割るモーラナイフにそこまでの切れ味を求めてないので、ステンレスで十分と思っているよ。
初めてのモーラナイフは、『Morakniv Companion(モーラナイフコンパニオン)』を選べば間違いありません。
おすすめ理由は、『安価』、『手入れがしやすい』、『汎用性が高い』の三拍子が揃っていることです。
・ブレードの素材
ステンレス
・ハンドル素材
ゴム
・サイズ
刃体の長さ:約10.4cm
全長:約21.9cm
刃厚:約2.5mm
・重さ(ナイフのみ)
84g
ソロキャンプで使う、モーラナイフの使い方の代表例を3つ紹介します。
モーラナイフの魅力は、キャンプで必要な刃物作業がこれ1本でできてしまうことです。
ただし、裏を返せば「どの作業をしても、やや物足りない感」はあります。
料理に使う
食材を切る魚をさばくなど、自宅で包丁で行っている作業を、モーラナイフで行います。
ただし、包丁ほどの切れ味はありませんし、刃厚が厚いので柔らかい素材を切る時は注意が必要です。
バドニングに使う
バドニングとは薪割りのことです。
焚き火をする際、太い薪のままでは火付きが良くありません。
そこで、薪を細く割ってやり、火が着きやすくします。
フェザースティックを作る
フェザースティックとは、薪を削って作る着火剤のことです。
薪を細くして、鳥の羽のような切れ込みを入れることで、僅かな火種でも着火することができます。
これは、市販の着火剤、乾燥した松ぼっくりなどで代用することができます。
フェザースティックづくりは、キャンプをするなら習得しておきたい技術です。
その他
自然の中では、自分の身は自分で守らなくてはなりません。
山中、不審者に襲われるなどということは稀ですが、野生動物に出会うことは時々あります。
野生動物に対しては、基本『近づかない』『避ける』ことが大切です。
しかし、危険な動物に襲われ逃げ切れないときは、ナイフが最後の防衛手段になります。
普段の手入れ方法
薪などを割るバドニングを行うと、どうしても切れ味が鈍くなってしまいます。
キャンプに行った後は、軽く砥石(シャープナー)でモーラナイフを研いであげてください。
モーラナイフを研いだ後は、よく乾燥した後にオイルで軽く拭いてください。
(料理にナイフを使う方は、オリーブオイルで構いません)
アウトドアナイフと銃刀法
銃刀法は正式には『銃砲刀剣類所持等取締法』と言います。
簡単に説明すると、刃渡り5.5cm以上の刃物を持ち歩くと、警察に捕まるという法律です。
刃渡りとはナイフの切れる部分のことで、モーラナイフは10cm以上あるので完全にアウトです。
ただし、キャンプに行く際など、明確に持ち歩く理由があれば処罰されません。
ですので、キャンプの後、車の中にモーラナイフを置きっぱなしにしておくなどのことがないように注意してください。
怪我に注意
普段の生活で、ナイフを使ってブッシュクラフトをする機会はありません。
慣れない作業を行えば、それだけ怪我をする可能性が高くなります。
ブッシュクラフトをする際は、皮の手袋を着用して作業してください。
万が一、ソロキャンプ中に怪我をしたら、
・傷口をきれいな水で洗う
・清潔な布で止血する
などの処置を取ってね。
そしていちばん大切なのは、キャンプを中止する勇気を持つことだよ。
テントや寝袋の基本的なキャンプ道具を揃えたら、次にアウトドアナイフを購入してみませんか。
堅牢なアウトドアナイフが1本あれば、キャンプの楽しみ方が一気に広がります。
そこにあるのは、サバイバルの世界です。
自分の腕一本で、薪を割り火を起こす。
食材を切って調理する。
そんな楽しみ方が、モーラナイフで可能になります。
さあ、大自然があなたが来るのを待っています。