日本は災害国であり、いつ地震等の災害に襲われるか分かりません。
キャンプのギアや技術は災害に活かせる、というのはなんとなく想像できるかもしれません。
しかし、『キャンプ=災害に強い』というわけでもありません。
今回は、「災害を生き抜くキャンプ術〜ギア編〜」と題し、防災に役立つキャンプギアを紹介します。
紹介するギアは以下のとうりです。
- テント
- 寝袋
- コンロ
- ランタン
- 防寒、防暑
- 食料
- その他
目次
私は防災士の資格を持っており、数々の災害現場に立ち会った経験があります。
災害について話すときに、特に強調するのが、
公共機関はすぐには助けに来てはくれない
ということです。
「自助(自分で生き残る)」、「共助(助け合う)」、「公助(公的期間が助けてくれる)」の中で、最も大切なのは「自助」です。
最低でも72時間は、自力で生き抜く必要があります。
それでは、災害という視点で役に立つキャンプギアを紹介していきます。
テント
まずはテントです。
テントは、家が倒壊した時や、避難所に泊まれない時に役に立ちます。
災害時に求めるテントの条件は、以下のとおりです。
- 軽量であること
- 防水性が高いこと
- 居住性が高いこと
軽量であること
順番に解説します。
テントを庭に設置するのであれば問題はありませんが、野営地等まで徒歩で運ぶのであれば軽量に越したことはありません。
災害時のテントの設置場所を想定しておきましょう。
・庭に設置する
・車で移動して設置する
・避難所等に設置する
等の設置パターンがあります。
防水性が高いこと
普段のキャンプと、災害時のキャンプの違いは、天候、季節を選べないということです。
場合によっては、雨の中、テントを設営する可能性もあります。
風雨に備えて、防水性の高いテントを用意しましょう。
防水性が高いとは、空からの雨にも強く、地面からの水の染み込みにも強いということです。
ワンポールテントやバップテントは、地面部分にシートがないことが多いです。
お勧めはダブルウォールのドーム型テントです。
※ ダブルウォールとは、テントの膜がインナーとフライシートに分かれるものです。
結露を防ぎ、暖かさを保ちます。
寝袋
寝袋で注意すべきは、保温性と防水性です。
前述のとおり、災害は季節や天候を選べません。
テントの中で快適に休むには、高機能の寝袋を用意しましょう。
ここで注意して欲しいのは、軽量で温かいダウン寝袋は、水濡れに極端に弱いということです。
スリーピングバックカバーを使用するなどの工夫をしましょう。
スリーピングバックカバーとは、寝袋の上にかける防水カバーのことです。
コンロ
災害時にお湯や調理器具がないとかなり不便です。
ガスカートリッジを使った、ガスバーナーは火力が強く、風にも強いという特徴があります。
また、ガスカートリッジにはガスランタンやガスストーブのアタッチメントを取り付けることで、様々な使い方ができます。
ランタン
災害時の明かりは重要です。
災害時は、地面には何が落ちているかわかりません。
何より、明かりは災害、夜の不安を軽減してくれます。
災害用にロウソクを用意される方もいますが、使い慣れないロウソクは火事の危険があります。
災害用に求められるランタンの条件は、
・電池式長寿命であること
・防水であること
の2点です。
最近は、スマホなどの充電機能のあるものもあります。
防寒・防暑
燃料には限りがあります。
気温への対策は、服で行いましょう。
冬の寒さは着込むことで防ぐことができます。
ここでも、雨に濡れるのを防ぐため、
『防寒インナー』⇒『防寒服』⇒『レインウェアー』
の順番で着込んでください。
寒さの最大の敵は、水に濡れることです。
防暑対策は、基本薄着になることです。
こまめな水分補給を心がけてください。
自宅で停電が予想される際は、冷蔵庫で2リットルペットボトルを凍らせておくと便利です。
また、キャンプギアには、充電式扇風機もあります。
食料
大きな災害では、数日間救援が来ないことがあります。
数日分の食料を確保しましょう。
何よりも重要なのは水です。
最近は10年間保存できる水もあります。
災害用アルファ米などは、味が美味しいものもあります。
お手軽な食料としてオートミールもお勧めです。
お湯をかけるだけで食べられますし、卵やお茶漬けを使えばかなり美味しく食べられます。
台風など断水が予想される場合は、浴槽に水をためておくことを忘れないようにしてください。
その他
非常袋を用意しましょう。
最近は水や食料、救命道具、防寒アルミブランケットなどがセットになった非常袋が売られています。
是非、用意してほしいものです。
非常袋は買ったままにするのではなく、家庭ごとにアレンジしましょう。
モバイルバッテリーも用意しておきましょう。
災害時にスマホの電源がなくなったというのはよくある話です。
通信手段を確保しておくことは、生き抜く鍵になります。
モバイルバッテリーは、大容量ソーラー式のものをおすすめします。
災害を生き残るためには、普段からの準備が大切です。
自分はどこに避難するのか
どんなルートで避難するのか
を普段から把握しておいてください。
(マンホールの位置、壊れやすいブロック塀などをチェックしておく)
また自宅で災害を耐えるのなら、そのための準備も大切です。
ペットがいる場合は、避難所が使えない場合もあります。
キャンプをする方であれば、文明が無くても生き抜く術を知っていると思います。
何より普段からのキャンプでの経験は、自分に自信と余裕を与えてくれます。
温暖化により、世界の様々な場所で災害が起きています。
キャンプのギアと知識で、災害を乗りって生きていきましょう!
母親が災害恐怖症なので、こちらをオススメしておきました。いざって時に知ってるか知らないかの違いがあるかと思います!