この前、キャンプでダニに噛まれて、入院してたっていう人の話を聞いたよ。
マダニに噛まれると、そんなに酷い症状が出るの?
マダニは怖いよ。
噛まれて1週間ぐらいすると、発熱、神経症状、消化器不調などの症状がでるよ。
重症化して亡くなる人もいるから、気を付けたいね。
今回は、キャンプ中に注意しなければならない、マダニについて解説します。
キャンプで遭遇する危険な生物と言えば、イノシシやクマを想像すると思います。
しかし、マダニこそが本当に気を付けなければならない、危険な生き物なのです。
この記事を読むことで、初心者キャンパーさんが、
・マダニに噛まれるとどうなるか
・マダニの予防策
・マダニを家に連れ帰らない方法
が分かるようになり、キャンプ中にマダニの被害を受けなくなります。
目次
キャンプで対策が必要!危険なマダニとはどんな虫?
マダニの特徴は、以下のとおりです。
- 足が8本ある節足動物
昆虫よりもクモやサソリに近い - 寿命は1~3年
- 唯一の栄養源が血液
- 大きさは3~4mm(吸血前)
一般的なダニは0.2~1mm - 細菌や病原菌の媒介者となる
- メスマダニは吸血後に3000個ほどの卵を産む
ペットや野生動物などを媒介にすることが多いよ。
自然の中にいれば、人間も噛まれるよ。
ヒロシさんも恐怖した!マダニに噛まれるとどうなるの?
キャンプ芸人のヒロシさんも、キャンプ中にマダニに噛まれたことがあります。
すぐに病院で処置したため無事でしたが、処置が遅れたら重症化していたかもしれません。
マダニに噛まれると、恐ろしい症状を発症することがあります。
代表的な症状は、以下のとおりです。
【マダニに噛まれることで起こる症状】
- 原因不明の発熱
- 消化器症状
食欲低下、嘔吐、下痢、腹痛 - 頭痛、筋肉痛
- 神経症状
意識障害、けいれん、昏睡 - リンパ節腫張
- 呼吸器症状
- 出血症状
紫斑、下血等
症状が重いと、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を引き起こすよ。
【マダニ媒介となって起こる主な感染症】
- 日本紅斑熱
病原体(リケッチア)によるダニ媒介感染症
国内で年間200件を超える発生報告がある
紅斑は高熱とともに四肢や体幹部に広がる - ライム病
細菌の一種であるスピロヘータによるダニ媒介感染症
筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、倦怠感等
今年国内で、70歳の女性が亡くなっている - 回帰熱
細菌(スピロヘータ)によるダニ媒介感染症
発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、関節痛、全身の倦怠感
潜伏期間がライム病より長く、高熱が出る
マダニに噛まれてから、症状が出るまで6日から2週間かかるよ。
感染症の致死率は3割にもなり、コロナよりずっと怖いよ。
対策1 マダニに噛まれるリスクが高い時期と場所
マダニの被害を減らすには、マダニが多い時期と場所を把握しておくことが大切です。
マダニの活動時期は、春から秋にかけてになります。
春はヤマトマダニ、秋はフタトゲチマダニやキチマダニが多く繁殖します。
夏はマダニが最も活動する時期です。
動物の血液を吸って、脱皮を繰り返し、成虫になれば卵を産みます。
秋から冬にかけては、ふ化した若ダニが多く発生します。
若ダニは小さいため、発見しにくいという特徴があります。
数は少ないけど、冬もマダニは活動しているよ。
マダニが多い場所は、山林や川原の土手などの草むらです。
これまでは、西日本を中心に繁殖していたマダニですが、最近は東日本にも広がっています。
野生動物が生息する場所に多い
野生動物を狙い、通り道の草むらに繁殖する
畑やあぜ道、公園などでも繁殖している
民家や公園などの身近な場所でも繁殖している
対策2 マダニに噛まれる前にできる予防策
噛まれると、人体に深刻な影響のあるマダニの被害。
キャンプを楽しむためには、噛まれないことが最大の予防策です。
マダニは、人間の肌に取りついて血を吸います。
素肌をさらさないことが、マダニ対策では重要です。
服装
マダニが狙っている素肌を露出しないように、夏であっても長袖、長ズボンを着用しましょう。
服装については、以下の点に留意してください。
- 薄手の服でも防マダニ効果がある
藪に入る際は薄手のナイロン製がおすすめ - 明るい色の服だと服についたマダニを視認しやすい
(日焼け止め効果は低下する) - 靴下は足首までしっかりと履く
- シャツはズボンの中に入れる
ズボン裾を靴下の中に入れる - 帽子や手袋を活用する
- 裸足でサンダルを使用しない
サンダルを使用するときは、しっかりと靴下を履こうね。
水を通さない、『防水靴下』がお勧めだよ。
防虫剤
マダニに有効な、防虫剤には2種類あります。
「スプレータイプ」と「線香タイプ」です。
ここでは、キャンパーが良く使う定番の防虫剤を紹介します。
スプレータイプ
ここでは、キャンプで定番の防虫スプレー3種類を紹介します。
防虫スプレーは、薬効成分により人の肌を、吸血の対象ではないと誤認させています。
防虫スプレーの薬効成分が肌に合わない場合は、ハーブタイプを使用してください。
草の茂った場所を歩けば、防虫スプレーを使用していても服にマダニが付くよ。
服が草むらで繁殖しているマダニを、こすり取っていくからだよ。
フマキラースキンベープミストプレミアム
【おすすめポイント】
- 『フマキラーべープミスト』の有効成分を上限まで引き上げた強力タイプ
- 肌にやさしい潤水成分ヒアルロン酸Na配合
- 皮膚アレルギーテスト済み
サラテクトリッチ30
【おすすめポイント】
- 虫よけ成分最高濃度30%配合
- お肌にやさしい4種のうるおい成分(PPG・ヒアルロン酸Na・ビタミンC・モモ葉エキス)配合
※12歳以下には使用不可 - ガススプレータイプ
オーガニックマドンナアロマミスト
【おすすめポイント】
- オーガニック保湿成分を98%配合
0歳の赤ちゃんから使える肌にやさしい成分 - アロマのレモングラス・ユーカリの香り
- ディート・アルコール・防腐剤不使用
アロマ系以外は、服の上からスプレーした場合、生地が痛む可能性があるよ。
蚊取り線香
キャンプ用の蚊取り線香も、防マダニ効果があります。
蚊取り線香は、テントサイト以外で活動する時には腰に下げて使用します。
テントサイトでは、テントを囲むように複数個使用するとより効果が得られます。
コダマパワー森林香
【おすすめポイント】
- 林業関係者が使うプロ仕様
- 通常の線香より厚みがあり煙が沢山出る
アース渦巻香プロプレミアム
- 屋外での防虫効果、屋内への侵入防止効果を追加
- 半径6mに効果
噛む前のマダニを発見した時は、手で取らないようにしよう。
ガムテープやバンドエイドなどの粘着テープで取り除こう!
対策3 マダニに噛まれた時の対処法
対策をしっかりとしていても、マダニに噛まれてしまうことがあります。
マダニが体を噛んでいるのを発見しても、手で引き抜かないでください。
マダニを見つけた際の、処置の手順は以下のとおりです。
- 手袋やマスク、長袖・長ズボンなどの防護具を着用する
- 取り除く際は、先端が細くなっているピンセットか専用の取り外し器具を使用する
- マダニが口器を刺し込んでいる部分をつまんで、ゆっくりと引き抜く
- マダニを取り除いた後は、消毒液で消毒する。
- 取り除いたマダニは、潰さずに保管する
【ちょっと裏ワザ】
ピンセットがない場合は、ワセリンでもマダニを取ることができます。
マダニをワセリンで包めば、30分ほどで窒息死し、自然に剥がれます。
ワセリンは靴擦れや切り傷、肌の保護にも使えるので、常備しておくと便利です。
自分でマダニを除去した場合は、捨てずに保管しておこう。
その後、感染症を発症した場合の重要な資料になるよ。
セーフガードマダニ取り
【おすすめポイント】
- カード型なのでコンパクトに収納できる
- レンズが付いている
- 海外の病院や薬局で販売・推奨
マダニを手で取り除くのは、危険です!
手で引き抜いてしまうと、以下の被害が発生する可能性があります。
- マダニの体液が体に逆流する
- マダニの口器が体内に残る
対策4 マダニに噛まれた場合、医療機関で受けられる治療とは
マダニに噛まれた時は、速やかに病院で治療しましょう。
病院は皮膚科か外科になります。
キャンプ中であっても、キャンプを中断してください。
肌にマダニが残っている場合は、医療機関で除去してもらいます。
医療機関で行う主な治療は、以下のとおりです。
- マダニを取り除く
- 消毒する
- 抗生物質による治療をおこなう
マダニで一番怖いのは感染症です。
感染症の症状はすぐには表れませんが、抗生物質を飲むことで症状を抑えられます。
対策5 マダニを家に持ち帰らない方法
マダニは知らないうちに、衣服やキャンプ道具に付いている可能性があります。
恐ろしいマダニを、自宅に持ち帰ってはいけません。
自宅にマダニを持ち帰らない方法は、以下のとおりです。
- 撤収前に、キャンプ用品や衣服にマダニが付いないかチェックする
- マダニが付着していると思われる衣服は、キャンプ場で洗濯する
自宅に帰る前に、コインランドリーで洗濯しても良い - キャンプ場でシャワーを浴びる
- 収納前にキャンプ道具を天日干しする
自宅に帰る前に温泉に入っても良いね。
温泉に入っている間、コインランドリーで服を洗えば一石二鳥だよ。
以前、紹介した「レンタル倉庫を使用して、キャンプ道具を自宅に持ち帰らない」というのも有効な防虫対策です。
レンタル倉庫内で殺虫剤を焚けば、キャンプ道具に付いているダニ類を駆除できます。
非公開: キャンプ用品収納にレンタル倉庫という提案!全キャンパーが絶対使うべき魔法の部屋!対策6 帰宅後のマダニ対策
キャンプが終わって、自宅まで直行する場合もあるでしょう。
その場合でも、自宅内にマダニを繁殖させないことが重要です。
家族と自分をマダニから守るために、以下のことを行いましょう。
- 帰宅後すぐに入浴する
- キャンプに使った衣服類等、洗えるものは洗う
- キャンプ用品(テント、寝袋等)を広げ、マダニが付いていないかチェックする
- キャンプ用品を収納している部屋で燻製タイプの殺虫剤を使用する
意外に見落としがちなのが靴だよ。
靴もマダニが付いていないか、しっかりとチェックしよう。
- 天日干しでマダニを駆除できないの?
- マダニを含めたダニ類は、天日干しでは駆除できません。
ダニは繊維の中で、日があたっていない場所に移動するだけです。
【おすすめポイント】
対策7 ペットのマダニ対策
キャンプ場にペットを連れていく方もいます。
ペットとのキャンプは、ペットと触れ合える絶好の機会です。
しかし、ペットは全身が毛におおわれているため、マダニにとっては最高の隠れ家になります。
ペットや家族をマダニの被害から守るため、以下の点に注意してください。
- 草むらに犬を連れて行かない
- ダニ予防薬を投与する
- ダニ取り首輪を使用する
- 虫よけスプレーを活用する
- キャンプ後にブラッシング、シャンプーする
ペッツワンプロテクトプラス
『ペッツワンプロテクトプラス』は、ペットの首筋に滴下します。
効果が約1か月続くので、定期的に使用すればマダニを駆除できます。
【おすすめポイント】
- ノミ・マダニの成虫の駆除及び、ノミの卵のふ化・幼虫の変態も阻害
- フロントライン等動物病院で扱っている駆除薬販売会社
- 病院を通さず、ネットでの購入が可能
- 安心の国内生産
キャンプも自然も好きだが、マダニとだけは仲良くできない
今回は、マダニ対策について解説しました。
この記事を読んで、「マダニが怖い」、「キャンプに行くのが怖くなった」と思ったかもしれません。
しかし、マダニはしっかりとした対策をすれば恐れる必要はありません。
また、マダニは私たちの生活圏にも生息しているので、キャンプ以外でも対策が必要です。
しっかりとマダニ対策をして、キャンプを心行くまで楽しみましょう。
それではキャンプ場で会いましょう。
2024版 虫が苦手でも安心!キャンプで使える、虫対策の全て!